建て替えられる団地とは

 ちっす、前回は建て替えられる団地はほとんどないって話と、大都市で容積率に余裕がある団地については建て替えられる可能性があるって話をしたよね。

 なぜ、大都市で容積率に余裕がある団地は建て替えられる可能性があるのかを説明しようと思う。

 普通の団地が建て替えられないのは、住民の五分の四の賛成が得られないからで、なぜ賛成が得られないかという経済的な負担が大きすぎるからだって説明はしたよね。

 つまり、経済的な負担が少なければ住民の賛成を得ることが出来て、建て替えることが可能になるわけ。

 もしも、容積率が余っていたらどういうことになるかを考えてみよう。


 昔は東京などの大都市でも土地の値段が安かった時期があったんだ。まあ、今と比べてという意味だけどさ。当時は容積率をいっぱいまで使って団地を高層化するよりも、たくさん土地を買ってエレベーターなどの設備は付けずに低層(5階まで)の団地をたくさん作った方が一戸あたりの値段を安くできる時代だったんだよね。

 世の中のことは法律の範囲内であればだいたいが損か得かで物事が決まっていくわけだから、当然土地を余計に買っても安く作れる5階までの低層の集合住宅を作られていったんだ。

 でも、その後どんどん土地の値段が上がっていって、今度は土地を余計に買うよりも、建物を高層化してその土地の容積率をギリギリまで使う方が安くなるようになったんだ。

 そうして容積率を余らせている団地やマンションというものは作られなくなっていったんだ。ここまでは良いよね。

 では、土地が安かった頃に作られた容積率に余裕を持った団地やマンションはなぜ建て替えられる可能性があるかという話になる。

 もしも、容積率を三分の一しか使っていなかったら、建て替える時には5階建ての建物を15階建てにすることが出来るわけだ。元々住民が100世帯しかなかったとすると、300世帯分の戸数があるマンションを建てられることになる。

 そして残った200世帯分については売ってしまうことが可能だ。そのお金で建て替えの費用を出せるという仕組みがあれば、経済的な負担をしないで(または少額の負担で)オンボロ団地が最新のマンションに建て替わるということが可能になる。

 築50年の古い団地をタダで新築マンションにしてくれるとなれば住民はみんな賛成するよね。

 もちろん、工事中の住まいの問題や実際に建て替えを行うデベロッパーの選定、行政との調整など難しい問題は山積みで、そんな簡単に建て替えられるものではないんだけど、最大の問題である経済的な負担が解消されることが、建て替えの最重要課題であることを考えると、容積率が余っていない他の団地と比べれば、建て替えへのハードルはとっても低いものになるんだ。

 でも、大都市近郊以外だとこういうわけにはいかない。なぜかと言えば、地方は今でも建物を高層化するよりも余計に土地を買った方が安かったりするのだ。そういう場所ではいくら容積率が余っていても建て替えは難しい。

 団地の建て替えの問題はあちきの不動産投資の根っこの部分でもあるから、これについてはもっと説明していきたいと思っているよ。

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